*Only Princess*
それから思い出話に花を咲かせながら、2人で校舎を回った。
楽しい。嬉しい。懐かしい。
いろんな感情があたしの中に湧き出てくる。
窓から夕陽が射し込んできた。
その光で、てったの耳につくピアスが光った。
「……てった、ピアス開けたんだね」
「ああ、まあな」
「鷹のピアスなんて、かっこいいね!」
「これは……」
そう言い、てったが鷹のピアスに触れたとき。
「てった」
あたしと同じ呼び方でてったを呼ぶ誰かの声が聞こえた。
あたしとてったは振り返る。
「えっ……」
あたしは後ろに立つその人たちを見て、驚くどころか呆然とした。
だってその人たちはあたしが毛嫌いする、白鷹の幹部たちだったから────。