*Only Princess*
「うっ……うぅ……っ」
泣きじゃくるあたしの傍で、てったはずっとあたしの頭を撫でてくれた。
その手つきも表情も優しくて、余計に涙腺がやられる。
「本当はね、すごく辛かったし、ショックだったの……っ」
「ああ……」
「何度も夢であったらって願った。だけど現実で……胸が痛くて苦しいの……。こんなことになるなんて、想像してなかった……っ」
昨日から言えなかった思い。
それは涙と共に一気に溢れてきた。
てった……
きっとあたしが素直になれると思って、ここに連れてきてくれたんだよね。
ありがとう。
────ねえ、美紗はあたしの敵なの?
あたしを裏切った? どんな思いだった?
美紗に対して、疑問がたくさん。
それにショックだって計り知れないくらい大きい。
だってあたし、今まで平凡な生活を送ってきたんだもん。
こんなこと経験したことない。
でもね、あたしは美紗のこと信じたいよ。
あたしと美紗は、親友だって信じたい。
白鷹と蛇王が戦って、その決着がついたあと。
あたしたちはどうなっているのだろう?
美紗。美紗の本心が知りたいよ────。
。
・:
+°
。
・:
+°
。
・:
+°