*Only Princess*
美紗、元気がないんだ。
それはきっと、あのことのせいだよね。
そんな美紗に対して、あたしはどうするべきなんだろう?
あたし自身はどうしたいの?
「菜生ちゃんとケンカしてるってわけじゃないのね」
「あ、はい……そういうわけじゃないです」
「ならよかった。あの子、わがままなところもあるけど菜生ちゃんのことは大好きだから。これからも仲良くしてやってね」
「はい……」
ぎこちないながらも頷いて、美紗のお母さんと別れた。
あたしは立ち尽くしたまま、動くことができなかった。
てったが気にしてくれるのがわかったけど、気分は晴れなかった。
いや、ここ最近ずっと曇ったまんまだ。