*Only Princess*
しばらく流れる沈黙。
何から言おうか、あたしは言葉を探していた。
それは美紗も同じだと思う。
だけど長い沈黙は、美紗によって破られた。
「……菜生、ごめんね」
消えてしまいそうなほど、小さな声。
だけどあたしの耳にはしっかりと届いた。
「裏切ってごめん。黙ってて、ごめん」
「……なんで、あんなことしたの? そもそも、どうして美紗が蛇王にいるの?」
「それは話すと長くなるんだけど……」
「それでもいいから。全部、話してくれない?」
「うん。全部話す覚悟で、菜生に会いに来たの。だから何も隠さないで、話すよ」
美紗の秘密が明らかとなる────。
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