*Only Princess*




しばらく流れる沈黙。


何から言おうか、あたしは言葉を探していた。


それは美紗も同じだと思う。


だけど長い沈黙は、美紗によって破られた。



「……菜生、ごめんね」



消えてしまいそうなほど、小さな声。


だけどあたしの耳にはしっかりと届いた。



「裏切ってごめん。黙ってて、ごめん」


「……なんで、あんなことしたの? そもそも、どうして美紗が蛇王にいるの?」


「それは話すと長くなるんだけど……」


「それでもいいから。全部、話してくれない?」


「うん。全部話す覚悟で、菜生に会いに来たの。だから何も隠さないで、話すよ」




美紗の秘密が明らかとなる────。








・:
+°

・:
+°

・:
+°
< 174 / 422 >

この作品をシェア

pagetop