*Only Princess*




菜生には悪いと、何度も思った。


だけどね。

私、朝生のお母さんが家を出ていったあの日、誓ったの。


何があっても、朝生の傍にいようって。


2度と悲しくて辛い思いをしてほしくなかったから、傍にいてあげなきゃって思った。


利用されてるってわかってても、見捨ることなんて、私にはできない。


ずっと暗闇の中にいる朝生を助け出したい。


私は、朝生がまた無邪気な笑顔を向けてくれるだけで、ただそれだけでいいのに。



その願いは、ずっと叶わないまま────。







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