*Only Princess*
今までの思いを言われて、胸が締め付けられる。
確かに、そうだよね。
あたしは暴走族が嫌いだし、そんなこと話されても過去の自分が素直に受け入れられるかと言われたら、難しいと思う。
……でもさ。
それでもあたしは、隠してほしくなかったよ。
「……菜生が白鷹と仲良くなっていくのを見て、正直焦った。このまま白鷹に入ったら、私たちは必然的に敵同士になると思ったから」
「それじゃあなんで……」
なんであのとき、あたしが白鷹に入ることに背中を押してくれたの?
「あの日、私は蛇王のスパイであることを忘れたの。菜生の友達としての意見を言っちゃったの。菜生には後悔してほしくないって、思っちゃったの……」
そういう、ことだったのか……。
蛇王のスパイであること、あたしが白鷹に入ることを後押ししてくれたこと、すべて美紗の優しさだったんだね。
美紗はどこまでも、あたしのことを考えてくれてたんだ。