*Only Princess*




美紗はすべてを正直に話してくれたんだから、あたしもそれに応えなきゃいけないよね。


でもその前に。

あたしも少なからずショックを受けたから、ちょっとだけ意地悪させて。


あたしは体を起こし美紗と目を合わせ、言葉を放った。


今まで我慢してきた言葉。



「……ばか、美紗のばかっ」


「へ……?」



キョトン、とする美紗を見て、少しムッとした。


バカだよ、美紗は。

親友のあたしに隠しごとするなんて、本当にバカ。



「あたし、いっぱい考えたんだけどね。美紗のこと、やっぱり許せない」


「っ……」


「美紗のこと信頼してたから、めちゃくちゃショックだった」



あたし、そんな人間できてないし。


そう簡単に許すことなんてできないんだ。


悲しそうに瞳を揺らす美紗。


でもね、勘違いしないで。



「……朝生との関係の相談も、蛇王のスパイであることを隠してたのも、許せない。親友なのに、話してくれなかったことが、1番ショックだったんだよ」



頼ってくれなかったことが、悲しい。


隠されていたことが、辛い。


それだけなの。



< 183 / 422 >

この作品をシェア

pagetop