*Only Princess*
「一緒に悩んで、一緒に立ち向かって。あたしは、そうしていきたい。白鷹とか蛇王とか、そんなのどーでもいい。
美紗はあたしにとって、大切で大好きな、親友なんだからっ」
「菜生っ……!」
美紗の目から涙がこぼれ落ちる。
その透明な粒は、美紗の頬を伝って輝いていた。
今までのことは許せない。
だからこれからは、同じことを繰り返さないでよ。
あたし、美紗のためならいくらでも力を貸すから。
「っごめん、ごめんね……菜生。それと、……ありがとう」
「っ……うん」
泣きじゃくる美紗につられて、あたしも泣きそうになるけど、堪えた。
美紗を引き寄せ、ぎゅーっと抱き締める。
ねえ、美紗。
あたしたちの友情は、決して薄っぺらいものなんかじゃないよね。
大きくて温かな愛が、確かにここにある。
敵対している暴走族に入ってるからって、そんなの関係ない。
こんなにも信頼し合っている。
あたしたちは、あたしたちなりの友情を築いていけばいい。
前へ進もう。
あたしたちらしく、駆け抜けて。