*Only Princess*




「で、どうする? 俺たちの願い、叶えてくれる?」



穏やかな表情で聞く琉依。


朝生は、”本当にいいのか”という表情をしていたけど。



「朝生……」



美紗の名前を呼ぶ声で、心を決めたみたい。


強く、真っ直ぐな目で琉依たちを見たあと、頭を下げた。



「……その条件、乗らせてください。やり直すよ、1から」


「じゃ、俺たちはもう仲間だね。はい、よろしく」


「ああ、よろしく頼む。それと……ありがとう」



固く強く、手を握り合う2人。


お礼の言葉を言った朝生の目は、少し潤んでいた。


美紗も、蛇王の中にも……泣いている人がいた。


よかった、本当によかった……っ。



変わっていけるよね、蛇王は。


そしていい仲間になってくれるよね。


そう確信できるくらい、今の蛇王はいい目をしている。


今日のこの出来事で、新たなスタート地点に立ったあたしたち。


全力で、あたしたちの道を進んでいこう。


みんなと共に────。







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