*Only Princess*
これが電話でよかった。
だって、そうじゃなかったら赤く染まってる顔、見られるもん。
「……も、もうっ! 子ども扱いしないでよねっ」
『ふっ……子どもだろ』
てったは、あたしのことどう思っているんだろう?
子どもって……やっぱり、女子として見てないってことかな?
……って、何考えてるんだろう!?
『もう遅いな。そろそろ切るか』
「う、うん」
『またな。おやすみ』
「うん、おやすみ」
プチッと切れる電話。
恥ずかしかったのに、切れると寂しいなんて。
この胸の高鳴りは、昔好きだったからだけじゃない。
……きっと現在進行形。
ぎゅっとスマホを抱きしめた。
あたし、てったのことが今でも──
「……好き」