*Only Princess*
「お、2人お揃いの服なんだ。いいね」
「美紗ちゃんはいいけど、菜生……ぷぷ」
「はぁ〜〜?」
琉依はいいよ、褒めてくれてるもん。
でも司!
どーゆーことよ?
ほんっと司は性格ひねくれてるな〜。
「気にすんな、菜生。俺は可愛いと思うぜ?」
「……なんかムカつくな」
ムスッとして目を逸らすと、てったと目が合った。
「や、やあ」
ぎこちなく手を上げて、挨拶。
「なんだ、”やあ”って」
だ、だって緊張しちゃうんだもん。
今もてったのこと恋愛対象として好き(かもしれない)って気づいたから。
いや、うん。
前からずっとドキドキはしていたんだけどね。
あの頃好きだった気持ちとか思い出して、急に意識し始めちゃったんだもん。
周りのみんながニヤニヤし始めた。
……気づかれた! 今気づかれたよ! 絶対!
もう〜……なんであたしってこうわかりやすい態度を出しちゃうんだろう?
「じゃー見て回ろうか」
何も気づかない鈍感な琉依の言葉に救われた。