*Only Princess*




チラッと航平を見てみるけど、特に変わった様子はない。


この前のは見間違えだったのかな?

そう思うような錯覚。


真幸が朝生の肩を組んで、司が呆れたように見ていた。


嫌そうな顔をしてる朝生だけど、振りほどこうとはしていない。


なんだ、ふつーに仲良さそうじゃん。


美紗と顔を見合わせて笑った。


わいわい騒いで、いろんな店を見て回って。


必需品を買ったり食料を買ったり、カンケーないもので遊んだり。


男女に分かれて、美紗と服をたくさん試着して、またお揃いの服を買った。


合流したみんなとご飯を食べたあと、プリクラを撮った。


みんなと撮ったのと、白鷹で撮ったものの2枚。


それを手に、緩む頬を抑えられなかった。


あはは、これなんて誰もちゃんと入ってないじゃん。


これは変顔っぽくなってるし。


でも、大切な宝物。

大事にお財布の中に挟んでおこう。


プリクラをお財布に入れて顔を上げたとき、目に入ってきた”クレープ屋”という文字。



「あっ、クレープ食べたいなぁ」



反射的にクレープ屋まで駆け寄っていた。


そしたら当然。



「みんな、どこ……?」



迷子になってしまった。



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