*Only Princess*




「よかったね、大ケガなくて!」



ニッて笑って顔を見れば、なぜか逸らされた。


そのとき、バタバタと多くの足音が聞こえてきた。


振り返ると、みんなが。



「菜生っ!」



てった……すごい形相。

ありゃかなり怒ってるな。


慌てて駆け寄って目の前で手を合わせた。



「ごめん! ほんとーにごめん!」


「おい、菜生。この前言ったばっかだよな? 問題起こすなって」


「……スミマセン」


「ちゃんと聞いてたのか、こら。ここについてる耳はただの飾りか?」


「いててて……ちゃんとした耳です!」



反省してます! 反省してるから耳を引っ張らないでぇ!


こんな怒ってるてった、なかなか見ないよ。



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