*Only Princess*




誰もいなくなったショッピングモールの裏側。


柱に隠れて、じっと白鷹が去ったほうを見る1人の男。


その手の中には、1つの生徒手帳。


さっき手当てをした女が落としたものだった。



「……白鷹の姫だったのか。”高村 菜生”ねぇ……」




そう呟いた声は、誰もいない空間に溶けて消えた────。







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