*Only Princess*
すると、”ピンポーン♪”と軽快な音が家に鳴り響いた。
てったが来たんだ!
そう思い、まとめた荷物を持って玄関に行くと、そこにはすでに翔がいた。
にこにこと笑顔を浮かべ、てったと話している。
「てった兄ちゃん、久しぶり〜」
「おう」
「ねーちゃんだけ旅行なんてずりぃよ! 俺も一緒に行きたい!」
「受験終わったらな。だから頑張れ」
「う~ん……わかった!」
フッ。単純なやつめ!
まったく、てったの言うことは聞くんだから。
そんな人は大人しく家でお留守番してなさいっ。
「菜生、準備はできてるか?」
「バッチリ!」
「よし、じゃあ行くか」