*Only Princess*
外に出ると、朝日が明るく照っていた。
よかった、晴れて。
バイクの後ろに乗って、てったの腰に手を回す。
バイクが走り出した。
朝の空気が頬を突き刺すように冷たい。
間近に迫っている真冬の気配を感じる。
もうそろそろ12月になるんだよなぁー。
早いな、時が経つのって。
本当、寒い。……でも。
あたしはてったの腰に回した腕をぎゅっとし、頬を背中にくっつけた。
より伝わってくる体温。
……あったかい。
「……っ!」
ドクドクと聞こえるこの鼓動は、気のせい?