*Only Princess*
琉依はキュッと口を結び、腕で顔を隠した。
「……あはは。そうだよね、俺には支えてくれる仲間がいるのに、何を不安がってたんだろう」
声が震えていた。
見えないけどきっと、泣いているんだろう。
「……ありがとう、みんな」
真幸が琉依の肩に腕をかける。
みんなの表情は見守るように優しげだ。
琉依がそんなこと考えているなんて、全然知らなかった。
不安だったり、悩んでいたりしたんだね。
総長のことだけじゃない、家のことやお父さんのことも。
すぐには解決しないかもしれない。
でもこれを機に、前に進めれば嬉しいな。
全力で、みんなが支えるから。