*Only Princess*
琉依も合流したことで、再開した花火大会。
手持ち花火を振り回し怒られてる人、噴出花火を囲み盛り上がってる人。
見ているだけで、十分笑顔になった。
その中にいる琉依も、何かを吹っ切ったような心からの笑顔を浮かべていて、安心した。
「菜生ぉー!」
琉依が珍しく、大きな声を出してあたしを呼んでいる。
「菜生もこっちで花火やろう!」
「……うんっ。今行く!」
笑顔で待つみんなの元へ走り出す。
またみんなとの絆が深まったような気がする。
あたしの勘違いじゃなければ嬉しいな。
もっともっと絆を深めて、平穏に過ごす。
それを1番に望んでいる。
だけど、あたしたちは暴走族。
平穏に過ごせるわけなんて、なかったんだ────。
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