*Only Princess*
「ぶはっ。めっちゃ面白いな、菜生!」
「ふっ……長いあごの人を見たって……」
「発想が豊かなんですね。……ふふふ」
「あはははは……菜生、ある意味才能だよ」
「もうー! ふざけた訳をすんなっ」
真幸は机をバンバン叩きすぎだし、てったは肩震わせて笑ってるし、航平と琉依に至っては褒めてきている。
そして相変わらず司は怒っている。
笑わせようと思って、ましてや怒らせようと思って答えてるわけじゃないのにー。
頬を膨らませたとき、周りからの視線を感じた。
図書委員の人を始め、勉強をしていた生徒が睨んでいた。
……主に女子が、あたしに向かって。
「ちょ、ちょっと! みんな静かに!」
「あぁー思い出した! 菜生、前回の中間テスト、”cross”のこと”殺す”って訳してたよな!」
「確か、”shine”も”死ね”って訳してたね」
「菜生の訳、怖ーな」
「い、今それを大きな声で言わないで!」
結局、騒いでしまう。