*Only Princess*
「え……え!? なんで朱雀がここにいるの!?」
この前のプチ旅行以来。
つい先週会ったばかりの3人だ。
朱雀が支配してる地域はここより少し離れている。
なんでここにいるんだろう?
「ちょっとお前に用があるんだ」
「あたしに?」
「ああ。つーことで、俺らについてこい」
「ええっ!?」
半ば強引にバイクに乗せられた。
降りようにも、走り出したからには無理だ。
……こーゆーの、絶対よくない。
断ったとはいえ、1度朱雀に入らないかと誘われた身だ。
勉強会を抜け出して朱雀にどこかへ連れていかれるなんて……
こんなの、みんなが心配する。
頭のどこかでそれを冷静に考えている自分がいる。
だけど……
「はーやーい!! もっとスピード落として!」
てったの比じゃないくらい速かった。
荒いっ……荒すぎるよ、この人たちの運転!
「なんか言ったかー?」
何も喋れない。
ただ腰にしがみついていることしかできない。
どこまで行くかわかんないけど、このまま耐えるしかないのか……。
こんなことなら、抜け出さなきゃよかった……っ!