*Only Princess*




するとナルシスト……じゃなくて、タカトが顔をぐいっと近づけてきた。



「さっそくだが、菜生。菜生はどうして白鷹の姫なんだ? あいつらの顔がいいのは認めるが、それは俺たちも負けてないだろう? いや、むしろ勝ってる気もするんだが……」


「はい?」



……うわ。やっぱりタカトはナルシストだ!


リクとソウは何か言わないの?


2人を見てみると、タカトの言葉に納得してるかのように、うんうんと頷いている。


アンタら全員ナルシストかいっ!


なんなのよ、朱雀っていう族は!



「あのねぇ、確かにみんなはカッコイイけど、あたしは顔目的で白鷹の姫になったんじゃないから」


「じゃあ、なんでだ?」



なんでって聞かれると、どう答えていいんだろう。


傍にいたいから傍にいる。


その理由とか考えたことなかった。



「……とにかく! あたしは白鷹以外には入らないし、そもそもそんなに暴走族が得意じゃないから」


「……ふぅーん」



何か、気に入ってない様子。



< 298 / 422 >

この作品をシェア

pagetop