*Only Princess*
「……菜生。また睨んでるよ」
横から聞こえた声。
そっちを向くと、あたしを見て呆れている友達の森山 美紗(もりやま みさ)がいた。
美紗とは中学のときからの仲で、1番信頼している友達。
もちろん、あたしが暴走族を嫌いなことも知ってる。
「だって、嫌いなんだもん」
「まあまあ。でもさ、白鷹のみんな、かっこよくない?」
「確かにかっこいいかもしれないけど……そんなことはどーでもいいの!」
かっこいいかかっこよくないかなんて関係ない。
かっこいいからって騒ぐ女子のみんなのこと理解できない。
もっとまともで誠実な人と恋愛したいもん。