*Only Princess*
「……昨日は、本当にごめんね。あたし、何も考えてなかった」
「……いや、昨日は俺も言い過ぎた。悪い」
「ううん! てったが謝る必要はないよ。……これからはもっと気をつける。だから……許してくれる?」
不安になりながらも、てったを見上げる。
するとてったはふっと優しい顔で笑って、あたしの頭を撫でた。
「最初っからそんな怒ってねーよ。ただ心配しただけ」
怒ってたじゃん。怒鳴ってたじゃん。
……とはさすがに言えない。
そんなことを心の中でツッコミながら、胸がキュッとなるのをごまかした。
「心配かけること、あんますんなよ。身がもたねーから、まじで」
「気をつけます、まじで」
「本当わかってんのかー?」
ぐしゃぐしゃーっと頭を撫でられ、「わかってます! わかってますとも!」そう必死に言った。
「わかっていればよろしい」と、てったの手が止まり、あたしは乱れた髪を手ぐしで整える。
……よかった、ちゃんと仲直りできてるよね?