*Only Princess*
「朱雀にも、ちゃんと断るね。考えてほしいって言われたけど、やっぱり白鷹しか考えられないって」
そう言ったら、てったは少し眉根を寄せた。
「もう、関わらないほうがいいんじゃないのか? また流されるかもしれねーし、今度は何かされるかもしれねー……」
「てった……?」
てったがそんなこと言うなんて……。
でも、それだけ関わってほしくないんだね。
「大丈夫だよ。ちゃんと断ったあと、関わらないようにするから。だから心配しないで?」
あたしの言葉を聞いて、てったはハッと我に返ったみたい。
ちょっぴり不安そうに、でも自分を安心させるように何度も頷く。
「ああ、そうだよな……悪い、不安ばっかで。菜生のこと、信じてるから」
「うん、ありがと」
ああ、なんかあたし。
「てったの幼なじみでよかったなぁ……」
「どうした? 急に」
「うん……なんか、ふと思って」