*Only Princess*




時にみんなから教えてもらい、時に自力で考え、そうしてテスト勉強を進めていった。


みんなスパルタで怖いけど、でもそれはあたしのためなんだし。


それに真幸も頑張ってるんだから、負けずに頑張らないと!


そのとき、スマホがブーッと震えた。


『お醤油買ってきて♡』

……お母さんから。


おつかいの頼みか。


チラッと時計を見ると、時刻は5時過ぎ。


うーん、いつもより早いけど、おつかい頼まれちゃったし帰らないとね。


みんなと別れることに名残惜しさも感じながらも、勉強から解放されることに少し嬉しくなってしまった。



「あたし、そろそろ帰るね」



勉強道具を片し、立ち上がると。



「送る」



と、てったも立ち上がった。


てったはいつも家まで送ってくれる。



「菜生、また明日なーっ」


「気をつけて帰るんだよ」


「だいじょーぶだって! また明日ねっ」



盛大に手を振ってくれるみんなに笑顔で手を振り返し、部屋を出た。


下っ端くんたちのいる1階を通り抜け、倉庫を出た。



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