*Only Princess*
ど、どーしてこんなとこに……。
神出鬼没すぎる。
「よぉ」
「よぉって……なんでここにいるの!?」
買ったものをレジ袋に入れていくタカトに詰め寄る。
すると、一瞬固まったのをあたしは見逃さなかった。
「……グウゼン、菜生を見つけて」
「偶然?……まさか、追ってたとかじゃないよね?」
「ちげーよ! お前の家がここら辺って聞いて……! あ、」
「それでここら辺で待ち伏せてたわけね」
この人、本当ウソつけない人だわ。
「でもよかっただろ!? 俺がいなかったら買えてなかっただろ? 俺様に感謝しろっ」
「うぐっ」
今度はあたしが言葉を詰まらせる番だった。
確かに……そうなんだけどさ。
「まあ、それはありがとう。助かりました」
ちょこっと頭を下げて、差し出されるレジ袋を受け取った。