*Only Princess*
「あのねえ、こんな調子じゃ絶対に心変わりしないし、そもそもしつこすぎて嫌いになりそうだよ!」
「なっ……! じゃあ俺はどうすればいいんだよ!」
「そっと身を引いてください!」
「そんなん男じゃねー!」
「そっと身を引くのも男ですぅー!」
タカトの中の理想の男像は、一体どうなってるの。
こんな言い合いしてるんじゃ、キリがない。
はっきりと、まっすぐと言ってやらないと。
あたしはピタッと足を止め、タカトのほうに向き直った。
まっすぐ見つめれば、同じように見つめ返してくる。
そのまっすぐな瞳が……あたしは怖い。逸らしたくなる。
でも、逸らしたら負けだ。
あたしはすぅっと息を吸って、吐いた。