*Only Princess*
「……前にも言ったけど、朱雀が……タカトが勧誘してくれることは嬉しい。あたしにはもったいない話だって思うよ」
あたしなんかを誘ってくれて。
平凡で、こっちの世界のことを何も知らないのに、そんなこと言ってくれて。
あたしにはもったいないことだよ。
すごく不思議に思うと同時に、純粋に嬉しい気持ちもある。
「でも、あたしには白鷹がいる。朱雀がダメとかそういうことじゃなくて、あたしには白鷹しかないんだ。大切で大好きな、家族みたいな存在だから……それを手放すなんて考えられない」
無意識に、頬の筋肉が緩んでいた。
白鷹のこと考えるだけで、こんなにも心が和む。
そして愛おしい。
そんなあたしを見たタカトは顔を歪めた。
苦しめてるってわかってるよ。
でも自分の気持ちに嘘はつけないから、正直に言わせて。