*Only Princess*
「どーせこのウソ、すぐにバレちゃうよ? それにバレたら嫌われるの、わかってるでしょ」
「うるせー。それまでに気持ちを変えさせるんだよ」
「できんのー?」
わかってる、ひどいことしてるって。
菜生に罪悪感を植え付け、それを利用して傍にいさせるなんて。
さっきだって泣いていた。
いろんな感情が混ざり合って、ごちゃごちゃになってしまったのだろう。
でもそれを見ても引かずに、菜生からの”朱雀の姫になる”という言葉を待った。
……俺って、こんなに最低なヤツだったんだな。
だけど、そんな最低なヤツになっても、俺は菜生に傍にいてほしいんだ。