*Only Princess*




はぁーっと息を吐き、天井を見上げた。



「こうでもしない限り、菜生は白鷹から離れないからな……」



絆が強い菜生と白鷹。


俺から見ても、とても羨ましいくらいだ。


それでも誘えば、少しは考えてくれると思ってた。


でも何度もあっさり断られ……それはもう、心が折れるんじゃないかっていうくらいに。


……なんでこんな好きになっちまったかなあー。


あんとき手当てしてもらっただけなのに。


バカだけど素直で明るくて、白鷹といるときのキラキラした笑顔に、どうしても惹かれたんだ。


羨ましい。欲しい。

そう思った。


だからごめん、菜生。


傷つけたかもしれねーけど、菜生への想いは負けるつもりはねーよ。


白鷹には……哲太には譲らねー。


どんな手を使っても、俺は菜生を振り向かせるから。


覚悟しとけよ。






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