*Only Princess*




切れた途端、みんなから質問攻めに。



「で、なんだって!? 菜生は!?」


「事故って菜生は大丈夫なんですよね!?」


「お前ら落ち着け。菜生の母さんが大丈夫っつってた。今日学校に来るらしいから、様子見ててくれって」


「そ、そっかぁ」


「無事でよかった……」




本当、無事でよかった。


菜生に何かあったら、俺……っ。


俯いて大きく息を吐いたとき、校門らへんを見ていた真幸が。



「あっ、あれ菜生じゃね!?」



真幸の指差すほうを見れば、確かに菜生の姿があった。


その姿を見たら、じっとしていられなくなった。




「俺、下まで行ってくる……!」


「うん、いってらっしゃい」



屋上を飛び出した。


事故のとき、病院にいるとき、傍にいてやれなかった。


だからせめて今は1番に迎えてあげたい。



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