*Only Princess*
「教えてよ、ソウ」
「……それはできん」
「ねえ、リクっ」
「うーん……ま、やっぱり直接タカトから聞いたほうがいいかも。僕らが勝手に言ったら怒られそうだしー」
……直接タカトに、か。
その勇気があったらとっくに聞いている。
あたしは臆病者だから、ウジウジしてるんだ。
タカトの足のこと、正面から受け止めなきゃいけないのに。
「うん…そうだよね。あたしが直接タカトに聞かなきゃ」
2人の顔を見て頷いた。
「じゃ、タカトにも言われたことだし、菜生を送るかー」
「だな。でも俺の後ろに乗れよ。リクじゃ支えきれない」
「「どういうこと!?」」
あたしとリクの声が重なった。
あたしが重いと言いたいのか、リクが小柄と言いたいのか、どっちなんだ。
朱雀は悪い人たちじゃない。
むしろいい人たちの集まりだ。
あたしはこれから打ち解けられるのだろうか……?