*Only Princess*
「……どゆこと? 複雑骨折って本当? ううん……タカト、あたしにウソついてたの……?」
どの程度のケガかももちろん大事だけど、1番大事なのはなんでウソついていたか、ということ。
なんでウソつく必要があるの?
そんなことしたって誰も得しない。
あたしも、もちろんタカトも。
「……思ったより早くバレたな」
ボソッと呟いたタカトは、もう冷静になっていた。
「……すんません、今日はリハビリやめます。……菜生、ついてこい。話すから」
「うん……」
大人しくタカトのあとをついていく。
そのあたしの後ろをリクとソウがついてくる。
2人はまったく驚いていなかった。
ということは知っていたのだろう。
タカトの足の状態を一向に教えてくれなかったのは、その秘密があったせいなのか。