*Only Princess*




「……それで、どうしてウソついてたの? リクもソウも、みんなしてあたしを騙してたのっ……?」



責めるつもりじゃなかったのに、責める口調になってしまった。


何か言い訳をすると思っていた。



「……ああ、騙してたよ」



でもタカトは肯定した。


それに続いてソウとリクも。



「すまん、俺も騙してた」


「僕も。タカトに協力してたよ」


「悪いことしてるってわかってた。だけどさぁ、こうでもしないと、菜生は白鷹から離れてくれねぇだろ?」


「でも、だからって……!」


「嫌われることも考えて、菜生を手に入れたかったんだよ……!」


「っ……」



苦しそうに言うタカトを見て、思わず言葉が詰まる。


嫌われることを覚悟して、そこまで……。


タカトのことで頭がいっぱい……になるはずだったのに。


こんなときでも、浮かんできたのは白鷹のことだった。



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