*Only Princess*








数日後。


自分の部屋のベッドに寝転がり、あたしは宙をぼーっと眺めていた。


そして机の引き出しを開けようか迷って、やめる。


机の引き出しには、白鷹の証のピアスが入っている。


外したはいいけど、どうしても処分することはできなくて引き出しの奥に眠っている。




──プルルル……プルルル……


スマホが震え、あたしは表示を見ないで電話に出た。



「もしもし」


『あ、菜生。私』


「美紗……?」



電話をかけてきたのは美紗だった。


美紗とは用がなくてもしょっちゅう電話するし、今日かけてきたのも珍しいことではない。


でも冷静に考えて、もし相手がてったとかだったらヤバいよね。


今回は美紗だったからいいけど、今度からはちゃんと表示を見なきゃ。



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