*Only Princess*




あたしはまじまじと2人の格好を見た。


真幸くんは……うん、かっこいい。


似合ってるし、女子ウケは特にいいと思う。


それに比べて司くん。



「ぷっ……」



ああごめんなさい。

吹き出しちゃった。



「はぁ? なに、なんで笑ってんの?」


「いや、だって司くん……それ、猫の着ぐるみじゃん。あはは」



あたしの一言にカッと顔を赤くさせた司くん。


化け猫って言っても、司くんが着たらやっぱり可愛くなっちゃうね。



「だだだ、だからなに? 文句でもあんの!?」


「文句なんてないよ。ただ似合ってるなぁーって。ふふ」


「じゃあ笑うなよ!」



似合ってる、すっごく。


めちゃくちゃピッタリだよ、司くん。


しばらくして笑いが収まった頃、我に返った。


何してるんだ、あたし。


なんで楽しく笑っちゃってんの。


あはは、と笑う真幸くんと顔を赤くさせたまま怒る司くんと慌てて別れて昇降口へ向かった。



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