*Only Princess*
病院付近、駅、学校……
どこにもいない。
そうだ、と思いついたあたしはスマホを取り出す。
そしてタカトに電話をかけた。
でも出ない。
何度かけても留守番に繋がるだけ。
じゃあ……リクにかけてみよう。
何か知ってるかもしれないし。
──プルルル……プルルル……ガチャ
繋がった。
『なに? どうかしたの?』
「ねえリク! タカトがいなくなっちゃったの! タカトが行きそうな場所、心当たりない!?」
『あー、えー、うーん……』
どこか焦ったようなリクの声が聞こえてくる。
そして衝撃的な発言をされた。
『タカトなら、僕たちと一緒にいるよ。朱雀の倉庫に』
「はっ!?」
今なんて……?
タカト、みんなと一緒にいるの?
朱雀の倉庫に?
とりあえず、無事を確認できて安心した。
でもふつふつと怒りと疑問が浮かび上がってくる。