*Only Princess*




「なんで!? なんで朱雀の倉庫にいるの!? ていうか、それ黙ってないで教えてよ!!」


『あー、ごめんごめん。でもさ、菜生も今日白鷹が僕たちを襲いに来るの、教えなかったでしょ?』


「っ! それは……」



そうか、みんなの……タカトの耳にも入っていたんだ。


そこを突かれたら何も言えなかった。



『ま、いいけど。今どこにいるの? 誰か迎えに行かせるから、菜生もこっち来なよ』



そうだね……とりあえず、みんなと合流しよう。


それでお互いちゃんと話をして……うん、そうしよう。



「……わかった。今学校にいる。待ってるね」



切れる電話。


タカトと会ったら、まず怒る。

心配かけんなって、せめて何か言えって。


それから……謝る。

戦いのこと黙っててごめんって、あとやっぱり朱雀の姫にはなれないって。


許されなくても、まっすぐぶつかりたい。


この前、白鷹のみんながあたしにまっすぐぶつかってくれたように。



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