*Only Princess*
しばらく待って、頭に雪が少し積もり始めたとき、朱雀の下っ端の1人が来てくれた。
甘えてバイクの後ろに乗る。
バイクで走ることおよそ15分。
朱雀の倉庫に着いた。
タカトたちがいるであろう2階の、幹部室へ向かう。
バンッと勢いよくドアを開けると、やっぱりタカトたちはいた。
「……よぉ」
片手を上げるタカトに近づいていき。
「……ばかっ!! 心配したんだからね!? 病院に行ったらいないし、街中探してもいないし……もう2度とやんないでよね!?」
「わるかったよ」
「でも、無事でよかったよ……」
安心のため息を吐くと、タカトは少しだけ目を見開いた。
「心配、してくれるんだな。俺にも」
「するに決まってるじゃん、そんなの!」
何言ってるの、まったく。
確かに、白鷹との間で揺れてる身かもしれない。
朱雀に脅されてることもある。
でもタカトに、朱雀のみんなに何かあったら心配くらいするよ。
仮にも、仲間なんだから。