*Only Princess*




しばらく待って、頭に雪が少し積もり始めたとき、朱雀の下っ端の1人が来てくれた。


甘えてバイクの後ろに乗る。


バイクで走ることおよそ15分。


朱雀の倉庫に着いた。


タカトたちがいるであろう2階の、幹部室へ向かう。


バンッと勢いよくドアを開けると、やっぱりタカトたちはいた。



「……よぉ」



片手を上げるタカトに近づいていき。



「……ばかっ!! 心配したんだからね!? 病院に行ったらいないし、街中探してもいないし……もう2度とやんないでよね!?」


「わるかったよ」


「でも、無事でよかったよ……」



安心のため息を吐くと、タカトは少しだけ目を見開いた。



「心配、してくれるんだな。俺にも」


「するに決まってるじゃん、そんなの!」



何言ってるの、まったく。


確かに、白鷹との間で揺れてる身かもしれない。

朱雀に脅されてることもある。


でもタカトに、朱雀のみんなに何かあったら心配くらいするよ。


仮にも、仲間なんだから。



< 394 / 422 >

この作品をシェア

pagetop