*Only Princess*




あたしの言葉を聞いたタカトはふっと頬を緩ませた。


でもすぐにキリッと真剣な表情に変わった。


その鋭さに、思わず怯んでしまう。



「……で、なんで今日白鷹が襲いに来ること、言わなかったんだよ」


「それは……ごめんなさい」



素直に謝るしかない。


言うにも言えなかったというか、どうすればいいのかわからなかったというか……

何と言っても言い訳にしか聞こえないだろうけど。



「ま、下っ端のやつらが教えてくれたからよかったけどねー」



嫌味ったらしいリクを、ソウが「まぁそう言うな」と宥める。


そのとき1つのことが浮かんだ。


タカトがここに来た理由って……もしかして戦いがあるから?



「タカト……まさかとは思うけど、戦いに出るつもりじゃないよね?」


「この俺様が出なくてどうする。俺がいないだけで、だいぶ戦況は変わるだろーしな」


「ちょっと、正気!? 骨折してるんだよ? そんな足で戦えるわけないじゃん!」


「たとえボロボロにやられても、総長が戦いに立たないわけにはいかねぇだろ」


「でもっ」



何か言おうと思ったけど、タカトの目を見て意思は変わらないと感じた。


総長のプライドというやつだろう。


そしてリクもソウも反対していない。


……認めるしかないのかな、これは。



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