*Only Princess*
そうだ……戦いが始まる前にあたしの本心、ちゃんと言わなくちゃ。
モヤモヤしたまま、中立的な立場で戦いを見守るわけにはいかないと思うんだ。
そのせいで朱雀のみんなを傷つけることになるとしても……もう、自分の気持ちはごまかせない。
ごまかしちゃいけない。
「あのさ、みんな。あたしから話したいことがあるんだけど……」
話す内容が、なんとなく伝わったのだろう。
ハッとした表情になって、あたしの顔を見た。
「戦いの前に、あたしの本心を話しとこうと思って。ごめん、あたし……」
「ちょ、ちょっと待って」
リクの遮る声で、あたしの言葉は止まった。
「その前にさ、僕たち総長と幹部3人で話したいことがあるんだよね。ね、ソウ?」
「……ああ」
え……話したいこと?
それってなんだろう?
「あ? 話したいことってなんだよ? 菜生がいて困る内容なのか?」
「うん、そうだね。3人で話したい」
あれ、タカトは知らないんだ。
ますます気になるけど、そんな踏み入っちゃいけないのかな。
「……わかった。じゃああたしは外にいるよ」
「わるいね。終わったら呼ぶよ」
「うん」
リクの言葉に頷いたあたしは、幹部室を出た。