*Only Princess*




1階に下りて、ソファーに腰掛けたのはいいものの、下っ端の子たちはせっせと戦いの準備をしている。


明らかに邪魔だよね、あたし。


でも「何か手伝うよ」と言っても、断られるのは目に見えている。


これが白鷹だったら……一緒にわいわい作業するんだろうな。


琉依の信者のりっくん、子犬みたいで可愛いあっくん、見た目ごついけど優しいつっくん。


下っ端の子たちの顔が浮かんでくる。


次に浮かんできたのは、てったたちだった。



『最近、ぜんっぜん女の子と遊べてないんだよな〜』


『別に遊ばなくていいじゃん』


『え、俺干からびちゃうよ』


『じゃあ干からびちゃえば? むしろ干からびてほしいよね』


『ふっ……そうですね』


『おーおー、言われてるぞ、真幸。俺は庇わねーよ?』


『ちょ、みんなひどくない!?』



いじられる真幸、そっけない司、さらっと毒を吐く琉依、ふっと笑う航平、笑いながら突き放すてった。


普段の光景。

思い出すだけで頬が緩む。


この中にあたしのいる未来は、あるのかな……?



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