*Only Princess*




「菜生ーっ」



雪をかき集めることに必死になっていたあたしを呼ぶ声。


顔を上げると、少し離れたところにみんながいた。


やわらかく、温かい笑みが反射して眩しいほど輝いて見えた。


そして。



「菜生、おかえり」




昨日から何度目になるんだろう。

泣きそうになるのは。




ねえあたし、みんなに出会えてよかったよ。
心からそう思える。


”ありがとう””大好き”


その2つの言葉は、もう言わずとも伝わっているだろう。



左胸元には、鷹のピアスが光っている。


目に浮かんだ涙を拭い、全力の笑顔でみんなの元へ駆け出した。




「ただいまっ」







Fin.

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