*Only Princess*
やっと出てきてくれた言葉。
あたしって本当に素直じゃないよね。
前から気づいてたのに、気づかないふりしてたんだもん。
あたしの言葉を聞いた美紗は、おかしそうにふふっと笑ってあたしの頭をくしゃくしゃーっと撫でてきた。
「やーっと認めた。ふふ、菜生って素直じゃないよね」
うぅ……それは自分でも重々承知です。
「でも菜生は1度決めたことは曲げない、けっこー頑固な性格」
「が、頑固……?」
「そう。今回だって、霧山くんを抜けさせること、頑なに変えなかったじゃん!」
ケタケタと美紗は笑い出した。
と思ったら、あたしに微笑みかけてきた。
「だけど……菜生は真っ直ぐだよね。突っ走るところはあるけど、ある意味素直なのかもね。今回の件は全部霧山くんのためだし」
「え? 素直なのか素直じゃないのか、どっちなの!?」
「んー? どっちも!」
「えー! なにそれー!」
美紗ったら意味わかんない!
でも理由はよくわかんないけど、嬉しいよ。
美紗のおかげで、あたしはいつの間にか笑顔になっていた。