*Only Princess*
ビクッとあたしの肩が震える。
怖くてあたしは何も答えられなかった。
なんであたしのこと知ってるの?
やだ、怖い。
これ絶対ヤバイやつだ……。
だけど震える足を必死に動かして、進もうとしたけど腕を掴まれそれは阻まれた。
ひっ!と悲鳴を上げそうなのを必死に抑えたけど、顔に恐怖が全面に出てたと思う。
腕を掴んだその人は、そんなあたしの顔を見てニヤッと笑った。
「ちょっと俺らについてこい」
ゾワっと背筋が凍るような感覚。
冷や汗が止まらない。
どこかで、雷が鳴る音が聞こえた。
「は、放してください……」
振りほどこうにも、やっぱり男女の力の差は大きい。
そうしているうちに。
────ガンッ。
何かで頭を殴られ、痛みが走る。
誰か助けて……誰か。
意識を手放す直前に頭に浮かんだのは、てったと白鷹のみんなだった──。