*Only Princess*
平凡な日々、それなりに楽しんでた。
それはこれからも変わらない。
そう信じきっていたある日……
そんな日々を打ち砕く出来事が起きた。
「おいお前らー、席に着け!」
担任の男の先生が入ってきて、みんなぞろぞろと席に着く。
大して重要な話もないだろうと、ぼーっと窓の外を見ていたら。
「今日はこのクラスに転校生が来た。今から紹介するからなー」
先生の言葉に、クラス中がざわざわとし始めた。
転校生? このタイミングで?
「ねね、菜生。転校生だって! どんな人かなぁ?」
前の席の美紗があたしを振り返って聞いてきた。
その表情はどこか楽しみにしている顔だった。
「中途半端な時期に転校してくるねぇ…」
今は9月。
夏休みが明けて2週間は経った今日。
なんで夏休みが明けてすぐじゃなかったんだろう?
まあ、考えてもわからないけど。
だけどやっぱりどんな人が転校してくるか、あたしも気になる。
みんなと同じように教室の前のドアに注目した。