*Only Princess*
緩んだ空気になり、みんなはソファーやらベッドに座り、くつろぎ出した。
「それにしてもさ、菜生っててったのこと大好きなんだな」
「そ、そりゃあ、小さい頃よく一緒に遊んでたし」
昔は恋愛的に好きだったしね。
途中で離れてしまったし、時が経つにつれてその気持ちは消えていってしまったけど。
今は幼なじみとして大好きなの。
「でもちょっと、てったに対して過保護なとこあるよなー」
「それは……」
確かに、少し過保護だったかもしれない。
だけどそれには理由があったんだ。
てったのお父さんは機嫌悪いとき、てったのお母さんやてったに暴力を振るう人だった。
それを知っていたあたしはてったの傷を手当てしたり、てったが家にいる時間を減らしたり。
できることはやろうとしていたんだ。
だけどお父さんの暴力を振るうクセは治らなくて、体に傷ができるてったを見るのが辛かった。
だからてったがキケンな目に遭うことや、ケガをすることに敏感になっていたんだ。
それゆえのてったに対する過保護なクセがついてしまっている。