*Only Princess*
「……そうだけど。誰だよ、お前は」
「俺は立本 琉依。白鷹の総長だよ」
雰囲気が柔らかい琉依は、とてもじゃないけど白鷹の総長には見えなかった。
「君、白鷹に入らない?」
「……は?」
急な誘いに戸惑う。
だけど暴走族という存在に惹かれた。
半ば強引に連れていかれた白鷹の倉庫。
突然来た俺にも明るく気軽に接してくれた。
ほわほわしてて総長らしくない、
意外とノリの良い琉依。
ほぼ琉依の付き人みたいになっている、
冷静沈着な航平。
見た目は女子っぽいくせに毒舌、
ツンデレな司。
チャラチャラしてるけど面倒見のいい、
優男の真幸。
個性強いメンバーに、最初はどうしていいのかわからなくて戸惑っていたけど。
だんだんと白鷹のやつらに惹かれていく自分がいるのを感じた。
気づけば心を許して素でいられて。
俺は『白鷹に入らないか』という誘いを受けたんだ。
単純に嬉しかった。仲間ができたことに。
信頼できるやつらに出会えて、嬉しかったんだ。