*Only Princess*




ま、まあいいけどね。


それにしてもあたしは何を着て帰ればいいの?


あたしの心を察してか、航平くんが何かを渡してきた。



「大丈夫です。新品のブラウスがあります」



んーっと、それは一体どこから?


疑問に思ったけどなんでもいっか、と思ってTシャツに手をかけた。


それを脱ぐ……前に、みんなに視線を送る。



「……いや、なんでいるの」


「え、ダメ?」


「ダメに決まってんでしょ! ほら、出て!早く!」



部屋からみんなを追い出し、ふぅと息を吐いた。


どっから入手してきたかわからないブラウスに袖を通し、制服を身に纏う。


ブラウスに、もらったばかりの鷹のピアスをつけてみた。


それを見て、自分の頬が緩むのを感じた。


これを見ると、みんなの仲間になったんだなって実感させられる。



みんなは、あたしの大切な仲間なんだ。


だからみんなを大切にしよう。支えていこう。


そう、決心した。



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