*Only Princess*




「ただいまー」


「おかえり、菜生」



家に入ると、いい匂いが漂ってきた。


台所に立っているお母さんがいた。


夜ご飯は……ビーフシチューかな?



「菜生。さっきバイク音がすぐ近くで聞こえたんだけど……何かあったのかしら?」


「あー……それたぶん、てったのバイクだ」


「あら、てったくんバイク乗れるのね〜。そういえばてったくんが戻ってきてから1度も会ってないわ。今度連れてきてちょーだい」


「うん。てったに言っとく」



そんな会話をしてから、あたしは自分の部屋のある2階に上がった。


あたしの部屋は白と緑を基調とした爽やか系の部屋。


葉が描かれたシーツを被ったベッドにダイブする。


天井を見上げ、ふぅと大きく息を吐いた。



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